男のコラム

毎週火曜日更新

このコラムは、タケタリーノ山口が己の魂の叫びを2003年に書いていたものです

第25回

最近ふと気付いた事がある。
特に意識していなかったが、いつの間にか俺はユニクロの洋服ばかり着ている。
フリースはもちろんの事、ジャケット、トレーナー、ジーパン、パンツ、おまけに靴まで。
全てユニクロでコーディネートしている。
当然あだ名はユニクロ。いや、ユニクリーノ。
ユニクリーノユニクロ(これはユニクロではなく、ユニクぐちと読む)。
それは、自らが望んだ訳ではないのに、知らぬ間にユニクロ的に進化を遂げている。
その進化の過程の事を、俺は心の中で、ユニクロマニヨン人化現象と呼んでいる。
しかし、俺はそのユニクロ的な進化の形、いでたちが結構気に入っている。
イカシた俺。
ユニクロでイカレた俺。
俺はいつもの様に、ご自慢のユニクロファッションに身を包み、さっそうと町へ飛び出した。
今にも踊り出しそうなステップ。
甘いスイトピーの香りのする口笛。
そして、ユニクロの売上げ同様の右肩上がりの肩。
しかし、そんな完璧を誇る俺でも通りたくない場所がある。
ユニクロの店の前だ。
町で同じ洋服を着ている奴と出会った時のあの気恥ずかしさ。
手強い。
ユニクロの店員に見られたら、すぐにユニクロマニヨン人とバレる俺。
いや、ユニクロの店員の中では、ユニクロ的な奴の事を、ユニクローン人間と呼んでいるかもしれない。
俺はモルモット。
モルモリーノユニクロ(この場合もユニクぐちと読む)
潰れてほしい。
俺はユニクロに潰れてほしい。
好きだからこその別れ。
お互いの事を想うがゆえの別れ。
イカシた俺。
ユニクロでイカレた俺。