毎週火曜日更新
このコラムは、タケタリーノ山口が己の魂の叫びを2003年に書いていたものです
俺は今、背中にあるカサブタに夢中だ。
しかし、その前に、なぜ背中にカサブタができたかと言うと、最近始めたバイトのせいだ。
背中にカサブタができる仕事って何だ?
って思うかもしれないが、そこはほっとけ。
とにかく、そのカサブタの端っこの部分の様子を爪で伺ってる。
爪が、「どう?」なんて問いかける。
すると、「まだダメ、まだダメ」
と、カサブタからは明らかに拒否反応が返ってくる。
普段の俺なら、
「嫌よ嫌よも好きのうちだろ」
なんて一気に攻めるところだが、やはり、血は出てほしくない。
Tシャツに傷口が張り付く未来予想図。
そう、まだ、カサブタの真ん中がジュクジュクしているのだ。
というか、カサブタとして未熟なのだ。
そう、半熟なのだ。
ふと思った。
目玉焼きに似ている。
そう、カサブタと目玉焼きは、できあがり方が一緒だ。
端っこから固まり、真ん中が固まるのを待つ。
もちろん、お好みで半熟でも良し。
とすると俺の背中はフライパンか。
いや、ホットプレートだ。
俺の平熱は36度。
そう、36度のホットプレートで、カサブタをじっくりと熱しているのだ。
そう、カサブタは料理なのだ。誰でも作れるレシピいらずの簡単手料理なのだ。
背中のカサブタを早く取りたい俺は、わざと42度の高熱の風邪をひいてやるぜ、バカヤロー。