男のコラム

毎週火曜日更新

このコラムは、タケタリーノ山口が己の魂の叫びを2003年に書いていたものです

第8回

最近、生野菜サラダのうまさに気がついた。
実は今まで、サラダという物をあまり食ったことがなかった。
嫌いだった訳じゃなく、俺の中で、サラダとは女が食う物と決め付けていたのだ。
そう、男は肉だ。
肉こそ男だ。
肉の脂身は男のプライドと比例する。
そして、男らしさの証明とサラダの大食いは反比例だ。
そんなこだわりを持っていた俺は、サラダのうまさに気付かず、損をしていたのかもしれない。
いや、今まであまり食ったことが無かったから、逆に美味く感じたのかもしれない。
それは、出そうで出なかったくしゃみが出た気持ち良さに似てる。
いや、もしかしたら、俺はサラダの国から来たのかもしれない。
いや、昔、土の中に埋まっていたのかもしれない。そういえば、砂浜に埋められると、ホッとする時があるし、小さい頃、よく背中にイモ虫がついていた。
でも、そう考えると、俺だけじゃなく、人は皆、土に帰りたがってる気がする。
というより、死んだら確実に土に帰る。(もしかしたら返ると書くのかもしれねーけど、ほっとけ!)そう、帰るという言葉を使うこと自体、昔は土に居たんですよの表れである。
そう、人間は昔、野菜だったのだろう。
とすると、前世がキャベツだった奴とかもいるのだろう。
やけに、カレーばっかり食ってる家族だと思ったら、それぞれの前世が、じゃがいもとにんじんとたまねぎだったり。
やけに、身体に気を使ってる奴だと思ったら、前世では農薬にまみれてたその反動だったり。
小学校の頃、冬なのにやけに薄着してた奴は、前世では実は温室育ちだったり。
しかし、スイカが野菜だったとは、未だに信じられねーぜ。バカヤロー。