男のコラム

毎週火曜日更新

このコラムは、タケタリーノ山口が己の魂の叫びを2003年に書いていたものです

第6回

俺はよく立ち喰いそばを食べる。

金銭的な理由もあるが、中には本当においしい店もある。
立ち喰いそばが好き。
ずっとそう思っていた。
しかし、よく考えてみると、俺がおいしいと思っている店は、どこもネギが入れ放題の店ばかりだった。
そう、俺は勘違いをしていたのだ。
そばが好きなんじゃなくて、ネギが好きだったのだ。
そばが食べたいんじゃなくて、ネギが食べたいから立ち食いそばを食べていたのだ。
そう、俺はネギが好き。
昨日、ネギを抱いて寝た。
そして思った。
パセリが食べたいから、ハンバーグステーキたべてる奴がいたら凄いなと。
それは置いといて、もしかしたら、他にも勘違いしている事があるんじゃねぇかと思い探してみた。
そしたら、あった。
図書館にもよく行く。本を長時間むしゃぶりつくように夢中で読んでいる。
本が好き。
それも勘違いだった。
考えてみると、トイレのウォッシュレットを毎回使っている。
俺の家は和室便所、足が疲れるから、できれば使いたくない。
そう、ウォッシュレットを使いたい為に、長時間本を読んで、もよおすのを待っている。
そんな感じだ。
そう、俺はウォッシュレットが好き。
昨日、ウォッシュレットを抱いて寝た。
他にもあった。
鼻をよくほじる。
鼻をすっきりさせたくて、必要以上にほじっている。
自分への気使いと身だしなみ。
やっぱり、それも勘違いだった。
鼻クソが見たいのだ。
大きければ大きい程うれしい。
ちょっと、みずみずしいのなんかが出てきた日には、穴があくほど、あらゆる角度から、その作品を眺めてみる。
そう、俺は鼻クソが好き。
昨日、鼻クソを食べた。